第13回「オンラインゲームでトラブルに遭わないために」~消費生活アドバイザーから見た日本社会におけるギャップ~
オンラインゲームでトラブルに遭わないために

事例1 オンラインゲームの有料アイテム
2年前パソコンでオンラインゲームをはじめた。
先日、交換できるアイテムキット・パッケージ合計30万円をカード払いで購入して楽しんでいた。本日、いきなりゲームが接続不能になり、購入したばかりのアイテムが使えなくなった。
サイト業者にメールで、消去されたアイテムを復元してもらいたいと伝えたところ、「サイトの判断でアイテムを没収した。復元はしない」との回答が届いた。
納得いかないので再度サイト業者にアイテム没収の理由と復元できない原因を求めた。販社は、「ゲーム規約で禁止行為を設けており、法令に反する行為や、規約違反行為が見つかれば直ちに利用を停止している」と回答してきた。有料アイテムを購入すると対戦ゲームで強くなるのでサイト業者が提供しているアイテムを買ったが、不正利用の心当たりがないので不満だ。
その後繰り返し問合せしているが何の返事もなかった。仕方なく、内容証明書を利用して、サイト業者本社に利用停止理由の開示を申し立てたところ、サイト業者から回答書面が届き、「違法行為の内容は利用規約にあるので了解して入会したのではないか。具体的な削除理由については、ユーザーに対して違法な行為があったことを詳細に伝えると、逆利用の恐れがあるので概要だけ伝えることにしている。今後は顧問弁護士が対応するので、サイト業者には連絡しないように」とのこと。
今まで高額料金をつぎ込んでいるので、それらすべてが利用できなくなるので困る。またゲームはまだ途中なのでとりあえず復元だけでもしてもらいたい。
(40歳代 個人経営者 男性)
【 注 意 点 】
- 手間と時間とお金をかけて育ててきたキャラクターのデータが消えた、という苦情事例がオンラインゲームでは多数あります。まずプラットフォーム上の購入履歴や課金通知メールを確認すること。自分で確認ができない場合は、家庭用オンライン・モバイルゲーム はプラットフォーム事業者へ、パソコンのオンラインゲームはゲーム運営事業者へ、 ガチャを入手して希望するキャラクターやアイテム等を入手できない場合はゲーム運営事業者へ、アカウントが乗っ取られた場合はゲーム運営事業者へ、クレジットカードの不正利用にはクレジット業者や銀行や警察へ、ゲームプレイの代行詐欺やリアルマネートレード詐欺の被害が疑われる場合には警察へ、ゲームのアイテムを購入したがゲーム画面上で確認できないなどの場合はゲーム運営事業者へ、通報し解決を目指しましょう。
- 返金等の対応はしないと利用規約に定めている運営業者も多いのが現状です。「不正利用の対象者に調査方法を明かすと対策を立てられてしまう」などの理由から、利用停止の原因を明らかにしない場合もあります。利用規約を熟読し、不正ツールの使用や、ゲーム内での迷惑行為を行わないようにすることが大切です。それでも疑問がのこる場合は、ゲームの提供会社にも説明を求めましょう。ゲーム運営業者などの対応が、ゲームの業界団体が定めるガイドライン違反と判断した場合には、業界団体の情報提供窓口に連絡しましょう。
(★プラットフォーム事業者=インターネット上でゲームコンテンツを配信するとともに、有料コンテンツの取引の場を運営する事業者、例えばアップルストア、グーグルプレイ等)

事例2 未成年者のオンラインゲーム
私名義で買ったスマートフォンで小学生の息子がゲームをしていた。
息子には課金しないよう繰り返し伝えていたので、ゲームをしても料金がかかるとは思っていなかった。
しかし、クレジットカードに高額な請求があり、オンラインゲームで3カ月の間に約80万円課金していたことが分かった。 息子は、ゲーム中に表示された年齢確認の表示については覚えておらず、いまだに料金が発生しているとの認識もない。どのように課金したのかを聞いても、「いろいろと押していたらゲームができた」と言っている。
ゲーム業者に未成年者取消しを主張したが、ゲームのユーザーID等がないと取引を特定することができないと言われ対応してもらえなかった。息子にID等について聞いてみたが覚えてないとのことだった。
また、ゲームアプリは既に削除していたので復元を試みたがIDを確認することはできなかった。
アプリストアでの購入履歴をアプリストア業者に提出したところ、「ゲームのユーザーIDを結びつけることができず、取引を特定することができない」と言われた。
どうしても返金要求をあきらめるしかないのか。 (30歳代 パートタイマー 女性)
【 注 意 点 】
- スマートフォンのオンラインゲームの課金は、一般的に、プラットフォームのアカウントを通じて行われます。課金の取消しを申し出る場合は、課金をしたアカウントからプラットフォーム事業者に問い合わせます。プラットフォーム事業者が取消しを認めなかった場合には、ゲームの提供会社に問い合わせをすることもできます。
- 未成年者が親の同意を得ずに契約した場合、民法で定められた「未成年者取消権」によってその契約を取り消すことができます。ただし、保護者のスマートフォンで課金したという場合、子どもが操作していたとしても、課金したアカウントが保護者のものであれば、保護者の判断で課金したとみなされ、取消しが認められないことがあります。
- 今後は、販売店で通信事業者のフィルタリングサービスや端末の設定アプリ内の管理機能(課金の許可やアプリの使用時間の制限等を行う機能)の設定をしてもらうこと。こうすれば、今後設定した使用時間を超過し延長してゲームアプリを使用したい場合には、親の携帯電話に承認を要求するメッセージが送られるので安心です。アプリダウンロードの際にも同様の措置が取られることになります。
- 親子でゲームの遊び方について話し合いましょう。子供にお金を使っている実感がないことから、際限なくアプリを購入してしまったというトラブルを避けるため、クレジットカードの仕組みを、分かりやすく子供に教えてあげてください。また、子供のアプリ課金を、保護者が常に監視することは困難ですから、例えば「プリペイド式のカードを利用する」、「必ず保護者に相談する」といったルールを子供と一緒に決めることも一案です。
(参考・消費者庁「若者の消費者トラブルへの対応等について」
(参考・一般社団法人 日本オンラインゲーム協会 ガイドライン)
執筆者プロフィール 金崎賢秀(HN)
埼玉県在住。2003年消費生活アドバイザー資格取得。2005年民間保険会社を定年退職し、同年、地元自治体の消費生活センターで消費生活相談員に任用される。以来18年5か月勤務し、2024年3月末に退職する。現在は社会貢献活動として地元の複数の相談業務に参加。
趣味:各地の自然遺産の探訪。読書(推理小説を乱読)。1945年生れ。

