第15回「スマホの故障でトラブルに遭わないために」~消費生活アドバイザーから見た日本社会におけるギャップ~

【スマホの故障でトラブルに遭わないために】

<事例1 スマートフォンの故障>

昨年、防水機能のあるスマホを購入した。先日スマホのカメラに不具合が発生し、その直後からアプリが一切使用できなくなった。
店舗に相談したところ、「水分の侵入が原因の不具合だが、修理をすると 10 万円ほどかかる、中古品への変換という方法もある」とのこと。事業者の助言通り中古品への交換を受けたが、1か月後再びカメラに不具合が生じたので店舗に出向いて修理を依頼した。
1週間後、事業者の修理センターからスマホが返送され、「内部浸水により基盤が腐食している。ただ中古端末へ交換した日から14日以上経過しており、規約上修理や交換はできない。機種変更するほうがお得だ」とのこと。不満に思いメーカーに書面で「スマートフォンを問題のない端末に交換してほしいと」伝えた。
しかし業者の回答は 「当社が提供する交換用の中古端末は、すべて、メーカーの実施する防水機能検査に合格し、接合部分からの漏れがないことを確認しており、本件も例外ではない。交換した端末機器に初期不良があったとの主張は、認められない」とのことで申し出を拒否された。機種交換するしかないのか。 (男性 20歳代、給与生活者)

【 注 意 点 】
  1. 防水機種スマホと表示されていても、一般的に、防水機能は水しぶきや、水滴がかかるのを防ぐ程度であり、雨の中や、お風呂で使えば、水没と判断され、補償対象から外れることがあります。シャツやズボンのポケットに入れている場合、汗などにより、電池収納部の”水濡れ判定シール”が反応し、多くは水濡れや水没として扱われることが多いです。
  2. 最新機種では、お風呂でも使用できるモデルも販売されています。しかし、水道水に含まれる化学物質が故障の原因になることもあり、特に海水に含まれる塩分は大敵です。
  3. スマホの開口部(端子部分や電池パックのふたなど)から水分が浸入することがあります。ふたは、一度開けると微細なゴミや水分が浸入しやすくなります。防水機種スマホも例外ではありません。取扱説明書の防水性能に関する情報や取り扱いの注意事項を入手して、確認しましょう。

<事例2 スマートフォンの保証サービス>

家電量販店で携帯電話会社を他事業者に変更する手続を行うことにした。スマホ業者のマイページ にアクセスし、移動体装置識別番号等の情報を登録した際に保証サービスのサブスク契約をしておいた。
先日、スマホを舗装道路に落してしまった。そのためか操作ボタンの部分やカメラ機能に不具合が起きる故障が生じたため、業者の保証窓口に交換申請をした。申請書面には新品同等の同一機種に交換する場合には自己負担金がかかる旨の但し書きがあった。
一週間後、交換品が届き、故障機を保証窓口に郵送したところ、 数日後、保証窓口から書面が届いた。内容は「故障品として持ち込んだ機械が申告していた製品と異なっている。また交換品受領後2週間以内に申告製品の返却がなかったことから違約金を請求する」旨の連絡書面だった。 詳しく聞いたところ「返却された製品のメモリー容量が、登録されていたメモリー容量とは違っていた」とのこと。 業者に書面で「メモリーを増量したことは事実だが、これにより違約金を請求されるのは納得できない」と主張したが、解決しなかった。
その直後、自己負担金がスマートフォンの利用料とともにクレジットカードから引き落とされた。違約金まで請求されるのは納得できない。 (給与生活者 50歳代 男性)

【 注 意 点 】
  1. スマホの故障トラブルには、うっかりミスで破損させてしまう人為的な原因によるものだけでなく、バッテリーや操作ボタンの不具合など経年劣化が原因となるもの、初期不良や設計ミスなどが原因で起こる故障トラブルがあります。
  2. スマホの液晶画面は強固な強化ガラスで覆われていますが、落下させるなど大きな衝撃が加わるとひび割れが生じます。衝撃のダメージは画面だけでなく、スマホ内部に影響が及ぶ可能性があり、何かの拍子に突然動かなくなることもあります。
  3. 落下などの衝撃により、操作ボタンの部分やカメラ機能に不具合が起きるケースが多いですが、経年劣化による不具合、そもそも緩みやすく反応しづらくなるといったトラブルが多い機種である場合もあります。
  4. 保証期間内であればメーカーで無償修理をしてもらえる場合がありますが、長く使っているうちに不具合が起きる経年劣化による故障は、保証期間対象外であることが多く、自己負担で対処することになります。
【補償の対象とならない場合の一例】事業者により相違しますので、スマホのマニュアルを精査しよう

(1)スマホの消耗、変質、変色等による損害(電池パックまたはバッテリーの消耗を含みます)であるとき。
(2)スマホの傷、汚れ、塗装の剥離等の外見上の損害でスマホ機能に影響が生じていないものであるとき。
(3)加工、改造、解析または製造会社が指定する正規の修理拠点以外で修理されたものであるとき。
(4)スマホの誤使用により生じたものであるとき。
(5)スマホまたは外部メモリ媒体に保存されていた画像データ・電話帳データ・電子メール等データ・音源データ・ICカード 内のデータ、その他一切の電子データの消去による損害であるとき。
(6)コンピューターウィルスによる障害に起因するものであるとき。
(7)利用者の故意または重大な過失により発生したものであるとき

(参考)
★総務省総合通信基盤局 消費者保護ルール
★一般社団法人電気通信事業者協会ホームページ

執筆者プロフィール 金崎賢秀(HN)

埼玉県在住。2003年消費生活アドバイザー資格取得。2005年民間保険会社を定年退職し、同年、地元自治体の消費生活センターで消費生活相談員に任用される。以来18年5か月勤務し、2024年3月末に退職する。現在は社会貢献活動として地元の複数の相談業務に参加。
趣味:各地の自然遺産の探訪。読書(推理小説を乱読)。1945年生れ。